[開設 07/27/23=MM/DD/YY]

「束の直積」の問の解答


{(Lλ, ≤λ)} λ∊Λ を束の族とするとき, 直積順序 ≤ を持った 直積 (∏λ∊Λ Lλ, ≤) は束になり, 直積の要素 x=(xλ)λ∊Λ, y=(yλ)λ∊Λ∊∏λ∊Λ Lλ に対して
(∗)  xy = (xλλyλ)λ∊Λ,   xy = (xλλyλ)λ∊Λ
(ここで ∨λ と ∧λ は それぞれ (Lλ, ≤λ) における結びと交わり) が成立する.
証明. (∗) を示せばよい. 双対原理より第一式のみ示せば十分である.
x = (xλ)λ∊Λ, y = (yλ)λ∊Λ∊∏λ∊Λ Lλ に対して z = (xλλyλ)λ∊Λ とおく. このとき, 任意の λ∊Λ に対して xλλ xλλyλ なので,直積順序の定義から xz である. 同様に yz も言えるので, z は {x, y} の上界である.
次に,u = (uλ)λ∊Λ∊∏λ∊Λ Lλ を {x, y} の任意の上界とする. すなわち, xu かつ yu とする. すると直積順序の定義から, 任意の λ∊Λ に対して, xλλ uλ かつ yλλ uλ なので xλλyλλ uλ である. よって,再び直積順序の定義から zu となる.
以上で, z = (xλλyλ)λ∊Λ が {x, y} の上界の最小元であることが言えたので, (xλλyλ)λ∊Λ = xy である.  (Q.E.D.)

束の直積
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