[開設 07/06/20]
H1 ∩ H2
と
H1 + H2
が線形部分空間になること
ここでは,
H1
と H2
が n 次元 Euclid 空間 ℝn の線形部分空間のとき,
H1 ∩ H2
と
H1 + H2
も線形部分空間になること
を示す.
まず,
線形部分空間の定義をおさらいしておこう.
H ⊆ ℝn
が線形部分空間であるとは,
任意の実数 α, β と
任意の x, y ∊ H
に対して,
αx+βy ∊ H
となることをいう.
以下では,
H1
と H2
を ℝn の線形部分空間とする.
H1 ∩ H2
が線形部分空間であること.
α, β を任意の実数,
x, y ∊ H1 ∩ H2
とする.
このとき,
x, y ∊ H1
であることと H1 が線形部分空間であることから,
αx+βy ∊ H1
である.
また,同様に αx+βy ∊ H2
である.
よって,
αx+βy ∊
H1 ∩ H2
となるので,
H1 ∩ H2
は線形部分空間である.
H1 + H2
が線形部分空間であること.
α, β を任意の実数,
x, y ∊ H1 + H2
とする.
このとき,
H1 + H2
の定義から,
ある x1, y1 ∊ H1
と x2, y2 ∊ H2
が存在して,
x = x1 + x2
かつ y = y1 + y2
となる.
x1, y1 ∊ H1
と H1 が線形部分空間であることから,
αx1+βy1
∊ H1
である.
同様に αx2+βy1
∊ H2
である.
よって,
αx+βy
=
α(x1 + x2)
+
β(y1 + y2)
=
(αx1+βy1)
+
(αx2+βy2)
∊
H1 + H2
となる.
よって,
H1 + H2
は線形部分空間である.
例 3 の解説
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