[開設 07/27/23=MM/DD/YY]
「分割全体からなる束」の問の解答
- 問 1
-
任意に
R∊P ⊓Q
を固定する.
P ⊓Q
の定義より
R=P∩Q
となる
P∊P
と
Q
∊Q
が存在する.
このとき,
R⊆P
となっているので
P ⊓Q ⊑P
である.
同様に,
R⊆Q
となっているので
P ⊓Q ⊑Q
である.
以上から,
P ⊓Q
は
{ P, Q }
の下界である.
次に,
R
を
{ P, Q }
の任意の下界とし,
R∊R
を任意に固定する.
R ⊑P
だから,
ある P∊P
が存在して
R⊆P
となる.
同様に,
R ⊑Q
だから,
ある Q∊Q
が存在して
R⊆Q
となる.
よって,
R⊆P∩Q
(1)
である.
また,
R≠∅
だから
P∩Q≠∅
なので,
P ⊓Q
の定義より
P∩Q∊P ⊓Q
(2)
である.
そして
(1), (2)
と ⊑ の定義から
R ⊑P ⊓Q
である.
以上から,
P ⊓Q
は
{ P, Q }
の最大下界である.
- 問 2
-
半順序集合 (X, ≤)
において,
X
の任意の部分集合が
下限を持つとする.
X
の部分集合
S
を任意に固定する.
U(S)
を
S
の上界全体からなる集合とすると,
仮定より
infU(S)
∊ X
が存在する.
以下,
supS
=
infU(S)
を示す.
任意に
s∊S
を固定する.
任意の
t∊U(S)
について,
t
は
S
の上界だから,
s≤t
である.
したがって,
s
は
U(S)
の下界となる.
infU(S)
は
U(S)
の下界全体の最大元だから,
s≤infU(S)
である.
よって,
infU(S)
は
S
の上界となり,
infU(S)∊U(S)
となるから,
infU(S)
は
U(S)
の最小元,
すなわち
S
の最小上界である.
(Q.E.D.)
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