[開設 07/31/23=MM/DD/YY]

概念束の作成手順

文脈表から紙と鉛筆で概念束を作成する手順

B. A. Davey & H. A. Priestley, “Introduction to Lattices and Order”, 2nd ed., Cambridge Univ. Press, p. 74 より (この書籍については 「参考書の紹介」 を参照)

Step 1 : (G, M, I) のすべての外延を求める

(1.1)
2 列の表を作り, 列に 「属性」と「外延」という見出しを付ける (属性-外延表). 第 1 行の属性欄には何も書かず, 外延欄にG と記入する.
(1.2)
文脈表のまだ削除されていない属性 m の中で, m′ が極大なものを一つ選ぶ.
(1.2.1)
m′ が 外延欄にまだ記入されていなければ, m を新しい行の属性欄に記入し, m′ を隣の外延欄に記入する. 外延欄の各外延と m′ との共通集合を取り, まだ外延欄に記入されていないもの について 新しい行を作り 外延欄に記入する (その隣の属性欄には何も記入しない).
(1.2.2)
m′ が 外延欄に 記入済みの場合は, m′ の 行の属性欄に m を追加記入する.
(1.3)
文脈表の m の列を削除する.
(1.4)
文脈表の列がすべて削除されれば終了. 削除されていなければ (1.2) へ戻る.

Step 2 : mm′ をラベルとする Hasse 図を描く

外延をラベルとするノードを配置し, 外延の包含関係に関する Hasse 図を描く. 属性-外延表で隣に属性のある外延をラベルに持つノードの脇に, その属性をラベルとして記入する (習慣では,外延や対象をノードの下に, 属性を上に書く).

Step 3 : gm をラベルとする Hasse 図に描き直す

(3.1)
Step 2 の結果の Hasse 図をもう一度描き, 属性ラベル m も同じ位置に記入する.
(3.2)
各対象 gG について, 「Step 2 の Hasse 図で g を含む最小の外延のノード」と同じ位置のノードに g をラベルとして記入する.

Step 4 : 図のチェックをする

(4.1)
どの結び既約な元も対象 gG のラベルを持っていることを確認する.
(4.2)
どの交わり既約な元も属性 mM のラベルを持っていることを確認する.
(4.3)
すべての属性 mMについて, Hasse 図で m 以下の対象全体の集合が m′ に一致していることを確認する.



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