[開設 07/03/23=MM/DD/YY]

添数(てんすう)/添字(そえじ)



数学では, 添数 (index) (添字ともいう) のついた対象を扱うことが多い. 例えば, 数列は自然数 1, 2, 3, . . . で 添字のつけられた数である. これまで, 添字つき集合族など 添字のついた対象を素朴に扱ってきたが, この添字のついた対象は 写像として定式化されるのである.
実数列 a1, a2, . . . , an, . . . と 写像 a:ℕ → ℝ の間に
a(n) = an
という自然な 1 対 1 対応が存在する.
定義
写像 x:Λ → X を, Λ によって添字づけられた族 (family indexed by Λ) といい, Λ を 添字集合 または 添数集合 (index set), Λ の要素を 添字 または 添数 (index) という. このとき, x(λ) を xλ と書き, この族を {xλ}λ∈Λ や {xλ | λ∈Λ }, {xλ} (添字集合 Λ がわかっているとき) などで表す.
注: 集合の記法から言えば, {xλ | λ∈Λ} は 添字づけられた族 ではなく, 写像 x による集合 Λ の像 x(Λ) だが, 特に不都合が起こらない限り この書き方も用いる.
添字集合 Λ が 正の整数全体 ℕ (ときには整数全体 ℤ や ℤ の部分集合) であるとき, 添字づけられた族 {xλ} を (sequence) と呼ぶ. 列は {xn} や {xn}n=1 などと書かれることが多い. また, xnn (n-th term) と呼ばれる.
x:ℕ → X の値域 X が 数の集合, 集合の集合, 関数の集合などのとき, 列 {xn} をそれぞれ 数列,集合列,関数列などと呼ぶ.
添字集合 Λ が { 1, 2, . . . , n } などの ℕ や ℤ の連続する要素からなる有限集合のとき, {xn} は 有限列 (finite sequence) と呼ばれる. 一般に,数学で ただ「列」と言った場合, それは有限列ではなく, 上で定義した無限列(無限に項を持つ列)である.

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